
格闘技における「ハイドレーション(hydration)」は、簡単に言うと「体の水分状態を適切に保つこと」です。特に格闘技では、計量(試合前の体重測定)に関連して大きな役割を果たします。
背景:減量とリカバリー
- 計量前に選手たちは試合の体重制限を守るため、体内の水分を極限まで減らして一時的に体重を落とすことがあります。これを「水抜き」と言います。
- 計量後には、失った水分を素早く補給し、試合までに身体を元の健康的な状態に戻す必要があります。この水分補給のプロセスが「ハイドレーション」です。
なぜ重要か?
- 人間の体は水分が不足すると、筋力低下や集中力の低下が起きやすくなります。
- 格闘技では試合当日に最高のパフォーマンスを発揮する必要があるため、適切な水分補給が命運を分ける重要な要素になります。
例えで説明すると…
計量直前の選手の状態は、カラカラに乾いたスポンジのようなものです。
試合までにそのスポンジに水を染み込ませて、元の弾力ある状態に戻すのが「ハイドレーション」の役割です。
もし十分な水を染み込ませないままだと、スポンジ(選手)は柔軟性を失い、機能が落ちてしまいます。
注意点
ハイドレーションのやり方が間違っていると、水分を補給しすぎて体がむくんだり、消化器官に負担がかかって逆効果になることもあります。そのため、計量後の食事や水分補給は、専門知識に基づいて慎重に行われます。
要するに、「ハイドレーションは、選手が試合当日にベストなコンディションで臨むための回復プロセス」です。